2010年02月14日

民政重視のソマリア海賊対策

■海賊退治は解決策ではない
ソマリア沖の海賊対策に進展が見られない。
日本政府はいま、国連決議に従って、海上自衛隊に船団を護衛させている。シーレーン防衛と国際協調の重要性から言って、これはおおいに結構なことだろう。「国連水軍」の常設化は、国連改革の一つの突破口となるかもしれない。
しかしながら、ソマリア問題はイラクやアフガニスタンと同様、軍事作戦だけで解決することはできない。
ソマリア海賊の多くは、もともとは漁師であり、国内の無政府状態など諸条件から、やむなく身代金で生計を立てているという留意すべき事情をかかえている。
宗教や民族の対立から無差別テロを実行している組織と同一に語るべきではないだろう。
軍艦の派遣は対症療法に過ぎない。
問題の核心は、もと漁師とその家族の生計の手段と販売ルート、消費地の開拓。
一言で言えば、ソマリアの再興にあるのではないだろうか。

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■外交戦略「不屈の寛容(クレメンティア)と自由」

@ソマリアは、首都を放棄する。

Aソマリアの海賊対策は、民政重視とする。

B身代金の支払いには一切応じない。人質をすべて無償で解放するなら、過去の海賊行為の罪は一切問わない

C海賊村の住民が選んだ代表者を、日本は養殖・海洋資源開拓分野と、警察、司法分野の研修生として受け入れる

D海岸線の海賊村を中心に、養殖・海洋資源開拓ベルト地帯を建設する

E同地帯の陸と海からの防衛の義務は、その住民に委ねる

Fベルト地帯に学校を建設、子弟の教育と海賊従事者の再教育を義務化する

G教育の主眼は、民族・宗教対立の克服と、ソマリア再興の人材育成におく

H海水の淡水化装置と、太陽・風力電力設備は、日本が提供する

I隣接する平坦地に難民キャンプと病院施設を建設、宗教や民族で差別せず、受け入れる

J難民キャンプの防衛は、イエメンとも協力し合い、現地住民の警察・軍事組織が独り立ちするまで、PKOと共同で行う

K武装組織への対応は、専守防衛とする

L武力対立ではなく、ソマリアの平和と再興を目指す、武装解除に応じる組織とその家族はいつでも受け入れる

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■日本らしい民政とPKOの調和戦略を
ソマリアは、首都を放棄する。
その防衛は犠牲ばかりが増えるだけだろう。
戦略的な撤退が必要だ。
その後で、毛沢東の解放戦争のように、隣国とも協力しながら無政府状態を海と陸から包み込み、ジワジワ民衆の支持と秩序を広げていく。
自ら「ソマリアの希望」となるのではなく、海賊で終わりたい者は、容赦なく討伐すべきだ。
軍事力は、言葉と同じように重要である。
残念ながら世界には対話ではなく、弾丸とミサイルの脅威でしか阻止できない相手が存在する。彼らにとって武力は、有形の雄弁な「言葉」である。武力は、それを終わらせるためにだけ行使されなければならない。
海賊やテロリストのいない世界を目指そう。
だが、その目的のために、われわれが海賊やテロリストのような無差別殺人者になるべきではない、と信じる。


posted by 内田聖人(Kiyoto Uchida) at 22:42| Comment(0) |   : ソマリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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